地区委員長の自治体訪問記
日本共産党茨城北部地区委員長  福田  明
[1] 山と川のある町――大子町
 4月22日に大子町を訪れました。奥久慈の山々は新緑の季節を控え、淡く霞むような色合いをつけ、久慈川沿いの桜並木も風に花びらを散らしていました。
 午前10時30分に飯村精造町長と懇談。私が「大子町は3人に一人が高齢者。これが大子の最大の課題ですか」とたずねると、町長も「そうですね。しかし、むずかしい問題ですね」と率直に答えました。また、「今後の大子町の将来を考えると、やはり中心は観光と農林業で


右端が飯村精造町長、左端が筆者


街かど美術館にて
(左から)辻井英雄常任委員、柴清町会議員、筆者
すか」との問には「大子には様々な地場産業があるが、それ単独の発展ではなく、いかにそれらを観光と結びつけるかが課題。今後の雇用問題を考えても、観光以外にはないと思う」と観光行政の重要性を語りました。
 私が北茨城市の議員であることを話すと、「北茨城市の磯原の区画整理は良くできましたね。北茨城市の村田省吾市長には私の後を継いでFIT協議会(福島、茨城、栃木の地域振興)会長についてもらいました」と話がはずみました。また、町長が「北茨城には工業団地が多くありますよね」とたずねると、同席していた柴清町議が「海岸部の交通の便がいいところでも工場が誘致できず苦慮している。大子のような那珂インターから40分もかかる地域での団地造成は慎重にすべき」との注文が出されました。
 最後に、「地域住民のいのちと暮らしを守ることがわが党の役割であり、そのためにも地方自治体と一致できることは協力してがんばりたい」と述べ町長との懇談を終えました。この懇談には地元の柴清町議と辻井英雄常任委員が同席しました。
 また、午後の訪問地である常陸大宮市へ行くまでに多少の時間があったので、柴町議に誘われて、柴さん自身が運営する「街かど美術館」を訪ねました。すると何と、私が1万9999人目の来館者、辻井さんが2万人目の来観者との事。無神論の私も、これには何か因縁めいたものを感じざるを得ませんでした。同館を訪れていた大子町の美術関係者から「だれでも絵を描く、持って生まれた才能がある。それがまだ発揮されていないだけ」とうかがい、妙に納得してしまいました。
 人を癒してくれるような「山と川のある町」大子町の春を感じながら、次の訪問地である常陸大宮市に向かいました。