日本共産党茨城北部地区委員会                                   

 原子力施設抱える東海村
 事故、騒音・・・広がる懸念  米軍訓練移転議会現地視察 
 航空自衛隊百里基地(茨城県小川町)への米軍訓練移転をめぐって、周辺にある原子力施設への航空事故などの懸念が広がっています。原発などが密集する東海村での動きを追いました。

   百里基地と小川町役場

 東海村議会総務委員会は26日、小川町役場と百里基地を現地視察しました。
   意見書の審査で
 昨年の12月議会で継続審査になった「訓練移転に反対する意見書案」(日本共産党議員団が提出)を採択するかどうか、審査の一環として実施したもの。飛田静幸総務委員長ら7人が参加しました。
 東海村には東海原発2号機をはじめ東海再処理工場など12の原子力関連施設が密集しています。
 航空自衛隊が作成した百里飛行場「場周経路図」にも東海村、大洗町の原子力施設(高速増殖実験炉「常陽」など)が明示されています。しかし原子力施設の上空を避けるような厳密な飛行制限はありません。
 原子力施設付近での航空機事故としては、2000年3月と7月に、東北電力の女川原発(宮城県)からわずか9`と、4.5`という山中に自衛隊曲技飛行部隊(ブルーインパルス)の戦闘機があいついで墜落しています。
 継続審査になっている東海村議会の意見書案は、百里基地への米軍の訓練移転による原子力施設への航空機事故と、重大な影響に懸念を表明。橋本昌県知事に「絶対反対を求める」としています。
 26日の現地視察は、「いま以上の騒音は困る」と訓練移転に反対を表明している小川町役場で、企画財政課長から訓練移転問題で国から説明を受けている内容、小川町の対応などを聞きました。百里基地では基地機能や訓練内容の説明を受けました。
 飛田委員長は視察後、本紙の取材に「近隣自冶体の対応についても把握しながら、3月にある国の最終報告(米軍再編)にも注目していきたい」と話しました。
   歴史を忘れない
 原子力施設上空での訓練飛行に反対し、国に厳しい飛行制限を求めている「茨城県原発を考える会」の中村敏夫会長はこう指摘します。
 「自衛隊機の墜落事故が現実に宮城県の原発付近で起きている。茨城でも旧水戸射爆場での米軍機による県民の命を犠牲にした歴史を忘れることができない。“空の暴走族=@とよばれる無謀な飛行をくりかえす米軍の訓練移転は原子力施設を抱える県民の強い不安であり、こうした議会の視察を通じて反対世論が高まることを期待したい」
(山本眞直)
(「しんぶん赤旗」2006.1.27)  

(女川原発関連/参考リンク)
大空の不安 相次ぐ自衛隊機墜落 もしも原発に・・・/万全と言えぬ安全策(「河北新報」2000.7.6)
  記事では「今度は飛行再開が極めて難しい情勢」と結んでいるが、訓練範囲の一部自主規制だけで訓練再開が強行された。
航空自衛隊松島基地周辺の飛行訓練に係る安全の確保について(要請)(宮城県知事ら自衛隊へ要請)
松島基地所属の自衛隊機墜落事故等に関する質問主意書(松本善明衆院議員)
T4墜落事故についての抗議と申し入れなど(日本共産党宮城県議団)
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