米軍所沢通信基地(埼玉県所沢市)に連絡道路を建設するための施設移転費を地元自治体に押しつけようとしている問題で、北原巌男防衛施設庁長官は3月1日の衆院予算委員会第一分科会で、軍事施設の移転費を自治体負担にした「例はない」と認めました。日本共産党の塩川鉄也議員に対する答弁。
同基地は、市の中心に位置し、街づくりの障害になっています。市は同基地の全面返還と、同基地内の東西連絡道路建設を求めています。ところが防衛施設庁は、建設に伴う通信局舎などの移転費を市に負担させようとしています。
塩川氏は「前例のない軍事施設の移転費の押しつけは、行うべきではない」と要求。同基地が、米軍の核部隊などへの緊急行動メッセージ(EAM)を伝える通信機能を担っていることをあげ、全面返還を求めました。
また、在日米軍再編で、航空自衛隊百里基地(茨城県)に、米軍嘉手納基地(沖縄県)などからの訓練移転が狙われている問題をただしました。
地位協定の実施に伴う国有財産管理法と同施行令は、国有財産を米軍に使わせる場合に「(地元への)影響が軽微であると認められるもの以外」は、自治体の意見を聞くよう義務づけています。しかし、これまで同法にもとづく意見聴取の例はありません。
塩川氏は、地元自治体が「住民生活に大きな影響を与える」(小川町)と反対していることをあげ、同法にもとづき自治体の声を聞くべきだと要求。北原長官は、移転計画について「(日米で)協議中であり、お答えする段階にない」と述べ、回答を避けました。
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