霞ヶ浦導水事業での那珂川取水口(水戸市)着工差し止めの仮処分を水戸地裁に申請している茨城、栃木両県の関係漁協から諮問を受けた「霞ヶ浦導水事業による那珂川の魚類・生態系影響評価委員会」は12月11日、報告書をまとめ、茨城、栃木両県の漁協代表に提出しましたた。
報告書は▽導水事業が開始されれば、アユなどの魚介類に重大な被害を及ぼす▽利根川・霞ヶ浦水系、那珂川水系の異質な水を合わせることは、生態系のかく乱・破壊を招き、生物多様性基本法に反する▽関係漁協が同意していない取水口建設は前例のない不当な漁業権の侵害▽事業目的とされる水質浄化や都市用水開発など国の論拠はすべて失われている▽国費と県費の無駄使いであり、中止すべきと考える―と結論づけています。
水戸市内のホテルで開かれた最終評価委員会で川崎健委員長(東北大学名誉教授)は報告書まとめのあいさつで、「目的が失われた事業にしがみつき、国民の利益に背を向けている国交省の姿は哀れだ。国土・漁業・環境の破壊を許さない運動を大きくしよう」と力説しました。
漁協代表者は「゛理論武装゛ができる」とのべ、裁判を闘っていく決意を表明しました。
|