霞ヶ浦導水事業 涸沼シジミに深刻な打撃
大洗町でシンポジウム |
国交省が茨城県内で計画している霞ヶ浦導水事業が、那珂川河口につながっている涸沼(ひぬま)のシジミや生態系に与える影響について考えるシンポジウムが12月13日、大洗町で開かれました。同事業に反対している大涸沼漁協などが主催したもので、約250人が参加しました。
同漁協の鴨志田清美組合長が主催者あいさつし、「導水事業でシジミが被害を受け、漁業者にとって死活問題になる」と懸念を表明。「影響はない」と言い張る国、県の姿勢を批判しました。
報告者のうち、丸山隆氏(東京海洋大学助教)は霞ヶ浦から送られる水が那珂川を通じて涸沼のシジミにも深刻な打撃を与えると分析。高村義親氏(茨城大学名誉教授)は富栄養価が進行している那珂川の水が霞ヶ浦の水質をいっそう悪化させるとの見解を示し、「霞ヶ浦、那珂川の両水系にとって何のメリットもない事業」と指摘しました。
関係漁協が取水口建設差し止め仮処分を申請している裁判の安江祐弁護士は大涸沼漁協の反対表明について、「那珂川河口域への事業影響を正面から問うことになる」と強調。「那珂川のアユ、そして涸沼のシジミを守る裁判としてアピールしていこう」と呼びかけました。
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