日本共産党茨城北部地区委員会                                   

那珂川取水口は不要/全漁協参加の重み訴え
差し止め訴訟 初の口頭弁論


 茨城、栃木両県の那珂川関係漁協が国を相手取り、「漁業権を侵害する」として霞ヶ浦導水事業の那珂川取水口(水戸市)の建設差し止めを求めている裁判の第1回口頭弁論が6月10日、水戸地裁(都築民枝裁判長)で開かれました。

 那珂川漁協の君島恭一組合長は「那珂川の天然アユ遡(そ)上量は全国一」とのべたうえで、漁協側との交渉を一方的に中断し取水口の建設工事に踏み切った国交省の姿勢を批判。汚染している霞ヶ浦から那珂川へ送水を願う住民や漁業者は一人もいない」と訴えました。

 栃木県那珂川漁連の遠藤^郎会長は「私たちにはアユが元気に那珂川をそ上できる環境を守っていく責任がある。工事が遅れているのにどこからも不満の声が聞こえてこない。必要性のない事業だ」と強調。那珂川河口でシジミ漁をしている大涸沼漁協の鴨志田清美組合長は取水口工事着工に当たっても国交省から一切説明がなかった」と指摘。導水事業でシジミ資源が甚大な影響を受けると主張しました。

 原告代理人の谷萩陽一弁護士は「那珂川、涸沼に漁業権を持つすべての漁協が訴訟に立ち上がった重みを受け止めてほしい」と裁判所側に要請するとともに、傍聴者にもわかりやすい審理進行を求めました。

 裁判終了後の会見で各漁業組合長は「第二の“諫早”にしないようにがんばっていきたい」、「一糸みだれずたたかい抜く」と決意を表明しました。
(「しんぶん赤旗」09年6月11日)

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