(2006年10月13日) |
偽装請負 市田書記局長が違法告発
「無法一掃、人間らしい働き方 ルール確立が政治の責任」
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中央が市田氏。右下は大門みきし参院議員
「ワーキングプア」と呼ばれる劣悪な労働条件で働く人々が激増している背景に偽装請負問題がある――日本共産党の市田忠義書記局長は10月13日、参院予算委員会で、派遣大手「クリスタルグループ」の受け入れ企業の新資料を提示。受け入れ企業が直接雇用の努力義務を順守するなど厳しく指導するよう迫りました。安倍晋三首相は「法令に反しているのであれば、厳格に対応していかなければいけない」と答弁しました。
市田氏は、自動車、電機など日本の代表的企業の生産現場が、懸命に働いても苦しい生活から抜け出せない派遣、請負労働者で支えられている生々しい実態を示し、安倍首相の認識をただしました。首相は「ワーキングプアを前提にコスト、生産の現状が確立されているなら大変な問題だ」とのべ、企業側の責任にふれました。→続き
・動画で視聴できます。
(中央委員会サイト) |
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働く仲間の思いを県政に届けたい
−− 参議院予算委員会 市田質問を聞き思い新たに −− |
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日立市議会議員 根本 陽一 |
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市田書記局長の質問をインターネットで視聴しました。偽装請負の実態を知り、働くものの立場にたってがんばらねばという思いをいっそうつよめているところです。
一昨年九月、日立製作所日立事業所で、発電機試験中に爆発火災が発生し、クリスタル系の派遣社員の方が亡くなるという痛ましい労働災害がありました。
日立製作所は「請負会社の事故である」と主張しましたが、私は大門みきし参院議員らとともに茨城労働局と日立労基署にたいし「偽装請負の疑いがある」として、「事故原因の徹底解明、日立製作所の安全責任の追及、被災者への万全の補償、職場の安全見直し・改善」を要求しました→参照。その結果、日立労基署は「事故の責任は日立製作所にある」と認め、日立を労働安全衛生法違反で書類送検しました。さらに、大門議員の国会での質問→参照によって、「偽装請負であった」ことを国が正式に認めました。
今回、市田さんが指摘したように、大企業は利益追求のために正社員を大幅に削減し、代わりに安い経費で使うことができる派遣、請負の非正規社員を増やしてきました。その結果、「一所懸命働いても年収が二百万円以下」という“ワーキングプア”が社会問題にまでなっています。日本共産党はこうした問題を国会や地方議会でとりあげ改善を求めてきました。私も、派遣で働いている方からの相談を受け、今年三月の日立市議会で非正規雇用や偽装請負の問題を取り上げました。
日立製作所の職場では、「成果主義」のもとで長時間労働が続き、青年労働者を中心にメンタル疾患などの「日立病」が深刻化している。ベテラン社員をリストラしながら非正規社員を増やしていることによって技術の空洞化が進んでいるとも聞いています。その結果が「技術の日立」の品質低下を招き、今回の原子力タービン事故にもつながっているとすれば、地域経済にとっても大きな問題ではないでしょうか。
「リストラ→労働災害多発、製品不良多発」の悪循環を断ち切るためには、大企業にたいし当たり前のルールを守らせ社会的責任を求めていくことが大事になっていると考えます。
私は、働く仲間の思いを県政に届けるために精一杯、力を尽くします。
参考リンク 「偽装請負」労働が製造業で横行 実質派遣、簡単にクビ(asahi.com) |
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関連リンク (「しんぶん赤旗」サイトの関連記事)
・主張/再チャレンジ/雇用の深刻なゆがみの是正を
・市田質問 その時、委員会室は/傍聴席から「ホー」
・なぜ偽装請負なのか
/“人員調整”“費用が割安”/働く者に責任負わず
・無法一掃、人間らしい働き方
ルール確立が政治の責任
/市田書記局長の総括質問(大要)/参院予算委
・偽装請負で事業停止命令/大阪労働局、クリスタル系会社に
・大門みきし参院議員 クリスタルグループの違法行為を追及 (2006.3.24)
・「偽装請負 受け入れ先責任問え」 塩川議員追及 政府「把握すれば指導」(2006.10.25) |
クリスタルグループから100人以上の労働者供給を受けていた事業所
●茨城県内にあるキャノン関連の岩間工場(旧岩間町)、取手工場をはじめ日立電線や日立工機など日立製作所関連企業も多数。 (「しんぶん赤旗」06.10.14より)
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クリスタルグループから100人以上の労働者の供給を受けていた茨城県北の事業所
(上の表からピックアップ)
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請負/派遣 |
人 |
日立電線・電線工場
新藤電子工業那珂工場
ルネサステクノロジ那珂工場
日立工機佐和・茨城工場 |
派遣
派遣
請負
請負 |
125
123
101
155 |
合計 |
504 |
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