ちん電ニュース
その3
参考リンク
  ・鹿島鉄道を守る会
  ・ちん電 小さな旅
   (YOMIURI ONLINE)
 
日本共産党
茨城北部
地区委員会

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投 稿
             ちん電を復活させるには  −− 永井孝二
  



 「公的支援8億円で10年間、存続可能」

                             ひたち未来シンポジウムで
 日立電鉄線の存続を求める市民団体は11月14日、「鉄道施設などを日立電鉄から自治体が譲渡を受け、事業者に無償貸与するなら10年間の公的支援額を8億円に縮小でき、運行委託で存続が可能」との試算を明らかにしました。
 試算したのは日立電鉄線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江座長)で、茨城大学工学部などと共催で開いた「ひたち未来シンポジウム」で発表したもの。シンポには高校生や町会関係者など100人が参加しました。
 試算は電鉄線の運行支援を表明してきた岡山電気軌道株式会社が助言。同社は10月に茨城県、常陸太田市の依頼で運行引き継ぎに必要な向こう10年間の公的負担を、(1)新会社が日立電鉄から資産譲渡を受けた場合21億円、(2)新会社が無償譲渡を受けた場合36億円になるーとまとめ、県・常陸太田市は「財政的に負担しきれない」と存続断念を表明しています。
 今回の試算結果について岡山電気軌道の磯野省吾常務は「県に示した試算は事業者として車両を更新し、冷房もしたいということで変電施設費用などを盛りこんだ。しかし市民フォーラムからは車両も現状、冷房もがまんすることで試算すると年間8千万円という数字になる」と説明しました。同常務は本紙の取材に「無償譲渡などの前提が整えば運行引き継ぎは可能」と語りました。(04年11月15日「しんぶん赤旗」社会面より)

 日立電鉄線の存続へ住民、研究者、鉄道事業者によるシンポジウムが11月14日、茨城大学工学部で開かれました。茨城大学地域総合研究所、日立電鉄を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江座長)の共催。高校生や住民、大学関係者ら100人が参加しました。
 白石昌武工学部長の歓迎のあいさつではじまったシンポでは、電鉄線を維持存続させる高校生徒会連絡会の代表が作文を朗読、英語で「私たちのレールを守ろう」とよびかけました。
 電鉄線利用者の黒沢秀子(看護学院講師)、相原早苗(まいづる塾元塾長)、中井保行(大沼学区コミュニティー推進会副会長)、清水省吾(ふくい路面電車とまちづくりの会事務局長)、磯野省吾(岡山電気軌道常務)、上岡直見(鉄道まちづくり会議事務局長)、山田稔(茨城大学工学部助教授)の各氏が、地方都市での公共交通のあり方や電鉄線存続への思いを発言しました。
 会場から発言した、日立環境保全課の市民勉強会の男性会員は「市内の交通渋滞解消問題をテーマにしたら、半数のグループがちん電利用をあげた。日立各社が昔のように社員に通勤定期券を発行、積極的に利用すれば採算は取れる」と語りました。
 司会者の斉藤義則地域総合研究所長は「利用者、研究者、行政、鉄道事業者など共同した取り組みが大事ではないか」と結びました。(04年11月16日「しんぶん赤旗」地方面より)



 大曽根勝正、小林真美子両日立市議は、11月6日、島根県平田市で開かれた「鉄道まちづくり会議」に参加しました。そのレポートは、こちら



 線路がある限り、「ちん電」存続を言い続けたい
 10月13日づけの、朝日新聞「声」欄に 「京都の街に路面電車の復活を」という内容の投書が載っていました。私は、日立に移り住むまで関西で暮らしていました。そのころは、京都へ行けば市電に乗るのがあたりまえでした。私は、今の地下鉄と市営バスの京都は知りません。
 投書には「景観と環境を守るべき古都・京都」とありましたが、景観や、特に環境を守らなくてはならないのは、京都でも日立でも同じです。京都は、一度廃止した市電の復活を見直しているのですね。地球温暖化問題など、環境に深く結びつく「京都議定書」の採択された舞台であれば、当然の取り組みといえるかもしれません。
 世界が環境に注目している中で、「ちん電」廃止と代替バスの運行というのは、未来に目を向けない、時代に逆行する動きでしかありません。先日、「ちん電」廃止を前提とした代替バスの運行予定が発表されました。バスは、利用客が例え一人しかいなくても、一台分の排気ガスをまき散らして走ります。
 そして、一人とまでは言わなくても、仮に利用者が少なくなった場合には、これまでのいくつもの路線と同じように、運行されなくなる可能性もあります。路線廃止によって、山の上の団地のお年寄りなど、バスを頼りに外に出ていた人たちを切り捨ててきたように、「ちん電」利用者のほぼ三分の一をしめる通学定期の学生など、また交通弱者に不便を強いることになるのでしょうか。
 バスを運行するなら、「ちん電」はそのままに、鮎川駅と日立駅の間に定額バスを走らせればいいのにと思います。電鉄の駅で切符を買ったら、そのままバスにも使える乗り継ぎ切符も売ってくれればなおいいです。これだと、「ちん電」の利用率も上がるし、排気ガスも最低限に押さえられると思うのは素人考えにすぎないでしょうか。こどもを持つ親として、暮らしの環境の未来は、何よりも気になることなのです。
 レールを取り払ってしまった京都の街でさえ、路面電車の復活を願う人がいます。線路がある限り、電車を走らせることは可能です。あきらめずに、「ちん電」存続を言い続けていきたいと思います。 (M・S)
    (「日立金沢後援会ニュース」bTより)
 



 「ちん電はみんなの財産だ」  佐竹高校文化祭でシンポジウム
 10月30日、茨城県立佐竹高校の文化祭「竹陵際」で、シンポジウム「ちん電はみんなの財産だ」が開かれました。生徒会が主催し日立電鉄線存廃問題を取り上げたものです。
 日立電鉄線は、常陸太田市、茨城県が「存続断念」を表明していますが、シンポジウムに参加した常陸太田一、常陸太田二、里美、日立一、日立商各高校の生徒会代表らは、「私たちだけでなく、後輩も困る」、「4月から1時間に1本になり不便になった」、「部活で日立に行くとき困る」、「バスでは遅れる」と、存続を求めました。
 佐竹高校PTAの代表は「生徒の熱い思いを大事にしたい。存続にむけがんばる」。鹿島鉄道を応援する「かしてつ応援団」の小川高校の教諭は「鹿島鉄道は日立電鉄よりも人は乗っていないし、経営は厳しい。それでも自治体が存続に熱心。住民アンケートをし7割の住民が残してほしいと。県知事からも石岡市長からも、『高校生が世の中良くする運動をしてすばらしい』と、ほめられた。日立電鉄線存続運動もがんばってほしい」と激励。
 最後に「ちん電はみんなの財産だ」シンポジウムアピールを採択しました。日本共産党から大曽根勝正日立市議、宇野隆子常陸太田市議らが参加しました。

通学の足奪わないで  知事と常陸太田市長に 高校生らアピール提出

 地元高校生らが1日、橋本昌知事と常陸太田市の渡辺龍一市長あてに、同線存続を求めるアピール文を提出しました。
 アピール文は10月30日、常陸太田市の県立佐竹高校文化祭で開かれたシンポジウム「ちん電はみんなの財産だ!」の参加者で採択しました。
 アピールは、同線の廃止で生じる、(1)通学が不便になる、(2)高齢者、障害者など交通弱者の移動が困難になる、(3)高校選択の幅が狭くなる−−などの問題が代替バスで解決されるのか−−と問題提起。高校生も消費税を負担していることをあげ、存続にお金を使うほうが有効と強調。「高校生の通学の足を奪わないで」とのべ、あらゆる関係者が存続にむけた努力を続けるよう訴えています。(04年11月2日「しんぶん赤旗」より)



・日立電鉄線−−日立市は、住民の立場に立ち原点にかえって再考すべき
            (日立市議会の内容をお知らせしています) 
                            「民主日立」日立市・9月議会特集号



 存続へ県は姿勢明確に  住民、高校生ら訴え
 日立電鉄線の存続を求める幅広い市民団体でつくる「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)、「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」(会長・渡辺博則県立佐竹高校生徒会長)は26日早朝、電鉄線とJR常磐線の乗換駅、大甕駅前で緊急のアピール行動をくり広げました。
 西村座長、渡辺会長がマイクをにぎり、「常陸太田市長の存続断念表明は残念。電鉄線は生活に欠かせない公共交通」、「電鉄線が無くなれば高校生、中学生の通学ができなくなるし、町づくりもできなくなる」などと存続への切実な声をあげました。
 アピール行動では、県が存続への姿勢を明確にし、市・企業・市民による第四セクターの新しい枠組みで岡山電気軌道との協議の再開を求めるビラを配布。
 通勤・通学などで足早に乗降する利用客も「がんばって」などの声をかけながら受け取る姿が相次ぎ、用意した千枚のビラがすべてなくなりました。
 日本共産党から、大曽根勝正市議らが参加しました。(04年10月27日「しんぶん赤旗」より)



 存続へ枠組み再考要請  茨城県、常陸太田市に住民
 「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)は25日、茨城県と常陸太田市にたいし、存続実現のための枠組み再考を促す緊急要望を文書で提出しました。
 緊急要望は、年間160万人の利用する日立電鉄線が日立、常陸太田両市と市民にとって欠かすことのできない社会資本・資源だと改めて指摘。市民フォーラムとしても、単に存続を要望していくだけでなく、資金調達・負担や鉄道存続会社への資本参加・運行業務参画などにも積極的に努力していくとして、存続のため再考、再検討項目を列記しています。

 再考を求めているのは、(1)存続の基本姿勢の明確化、(2)今年3月に県が示した存続のための公的支援年間7〜8千万円を軸にした岡山電気軌道との再協議、(3)行政負担だけでなく、利用者市民など新たな枠組みでの資金調達も視野にした再協議など。28日までの回答を求めています。(04年10月26日「しんぶん赤旗」より)



 10月25日、小林真美子日立市議といっしょに、渡辺常陸太田市長が「岡山電気軌道が示した試算は公的負担額が大きく、厳しい財政状況から公的支援は困難」と、日立電鉄線存続断念を表明したことに対して、日本共産党日立市議団の見解を、久慈町、大みか町5箇所で訴えました。

 「岡山電気軌道が試算した額が大きいということが存続断念の理由にされています。しかし、『存続するには5年間で10億円かかる』という日立電鉄の試算に対し、茨城県は『車両購入や冷房のための変電所建設などを先送りすれば、年間7〜8千万円の公的支援で10年間は安全運行できる』という試算を発表しているわけです。今回こうした点がまったく検討されていません。市民フオーラムのアンケートの結果は『廃線するな!』が多くの市民の声であることを、改めて示しました。短時間で結論を急ぐのではなく、地域の発展、住民の生活環境の維持・向上をめざす立場で、いろいろな角度から検討することが重要」と、話すと、電鉄・久慈浜駅前では電車待ちのお年寄りが、「がんばってください」と大きな声で激励。あちこちで、わざわざ車を止めて聞いてくれる人もいて、存続への熱い期待を感じました。(大曽根勝正・記)



 存続断念を表明    常陸太田市長
 常陸太田市の渡辺龍一市長は10月22日、「岡山電気軌道が示した運行引き継ぎのための試算結果は、公的負担額も県の試算額を大きく上回り、市の厳しい財政状況から継続的な公的支援が困難であるとの判断を余儀なくされた」と存続断念を表明しました。市議会全員協議会で明らかにしたもの。

 同市長はこのなかで、市議会の存続決議、市民団体などの要請をうけ、廃止届けが出された以降も日立電鉄に存続を求める一方、県が試算した施設整備費などの自社負担額の年平均7千5百万円を念頭に、公的支援を前提として市ホームページで新たな鉄道事業者を探す取り組みも行ってきた」ことを強調しました。
 県が公表した岡山電気軌道の公的負担試算は、▽自治体が施設など資産を所有、新会社に運行を委託した場合10年間で20億8千万円、▽新会社が資産を所有して運行した場合では35億5千万円−−それぞれ必要としています。
 当初、県は年間7千万円前後の公的支援で運行の継続が可能と算出してきました。日立電鉄が運行継続し、車両購入や変電所設備、枕木など施設整備の五年間先送り処置が前提でしたが、岡山電気軌道の試算はこうした点は検討されていません。県は「第三者による試算なのでそのまま両市に示した」(県企画部)としています。 

 ムダづかいこそやめて  大内県議
 常陸太田市の日立電鉄線の存続断念表明について日本共産党の大内久美子県議は22日、つぎのように語りました。
 岡山電気軌道の試算結果で常陸太田市が断念したことは本当に残念です。
 日立電鉄は民間鉄道とはいえ住民の貴重な交通機関として欠かせない存在であり、渋滞つづきの道路事情からも代替バスでは経済的損失、環境の面から問題があることはこれまで県が指摘した通りです。
 試算は10年間で20億円から30億円の公的負担を示していますが、年間にすれば2億円から3億円です。存続は多くの市民の願いです。電鉄線がなくなることで過疎化に拍車がかかり、なによりも将来のある高校生などの夢を壊すことによる損失ははかりしれません。
 県は今年度分だけで、広域交通ネットワークとして常陸那珂港に28億円、百里基地の民間共用化に21億円を予算化しています。これらのムダ遣いこそやめるべきです。
 県が存続の立場で両市にはたらきかけ、国の支援策も得るならば存続の道は開けるはずです。
  (参考リンク)

 教育の保障のために   高校生徒会連絡会

 存続署名運動や「や−や−・ちん電祭り」開催などに取り組んできた「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」(会長=渡辺博則・県立佐竹高校生徒会長)は21日、行政にさらなる努力を求めるコメントを発表しました。
 コメントは、廃線で日立、常陸太田の両市間の通勤・通学、通院、買い物などによる交通人口が減れば両市にとって大きな打撃になると指摘。連絡会との懇談で橋本昌知事が「廃線によって高校1年・2年生の通学の足が奪われることが心配だ」とのべていたことにふれ、「5年後、10年後の高校生にとって定時運行が確保される『ちん電』は必要不可欠」として、教育を受ける権利を保障するためにも公的支援の道をさぐってほしい、とのべています。(04年10月23日「しんぶん赤旗」より)

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